お風呂に浸かると疲れが取れ、新陳代謝が良くなり、免疫力もアップするなどポジティブな効果があります。しかし、入浴方法が間違っていると、期待する効果が得られないどころか、かえって健康に良くないのです。
高齢者にとってNGな入浴方法は、寝る前に熱いお風呂に入ることです。
寝る直前に41度以上の熱い風呂に入ると、交感神経が優位になります。
交感神経が優位になると血圧と心拍数が上昇しするため、血圧が高い高齢者は特に注意が必要です。
入浴前に血圧が160を超えている場合は、死亡事故リスクが高まるので気をつけよう。
血圧に問題はなくても、血圧と心拍数が上がると、昼間に活動している状態と同じになります。
いったん交感神経が優位になると、副交感神経に切り替わるまで2時間以上かかります。
寝る前の入浴、しかも熱い風呂への入浴は寝つきを悪くし、睡眠の質も下げてしまうのです。
高齢者にとってベストな入浴は、10〜15分、少しぬるめの39〜40度程度の湯に浸かることです。
寝る2時間以上前に、入浴を済ませておきたいものです。
ぬるめのお湯にゆっくり浸かると、心身に大きな負担をかけることなく、体温を0.5〜1度上げることができます。
自律神経を刺激し、血流が良くなる効果が得られます。
40度くらいのお湯に浸かると、血管を強力に広げる一酸化窒素という物質が分泌され、体の末端まで血液が届けられます。
特に冷えに悩む高齢者は、風呂の温度を上げて体を温めようとするよりも、ぬるめの湯にじっくり浸かる方が冷え性の改善につながります。